会長挨拶

第144回中部日本整形外科災害外科学会・学術集会
会長 松峯 昭彦
福井大学学術研究院医学系部門医学領域
器官制御医学講座整形外科学分野 教授

この度、第144回中部日本整形外科災害外科学会・学術集会を2025年4月4日(金)・5日(土)の日程で、福井市のフェニックス・プラザおよび福井市体育館にて開催させて頂くこととなりました。1991年10月に福井大学(当時は福井医科大学)初代教授である井村慎一先生が第77回の、そして2012年10月に馬場久敏先生が第119回の当学会を開催されて以来の福井での開催となります。伝統ある本学術集会を我々が担当させて頂きますことを誠に光栄に感じますとともに、このような素晴らしい機会を与えていただきました会員の皆様に、心より御礼を申し上げます。

整形外科は、最近20年間で目を見張るほどの進化をとげています。MRI, CTなどの画像診断技術の進歩は、整形外科疾患全体の診断・治療に計り知れないほどの恩恵をもたらしました。脊椎外科や関節外科では、インプラントのデザイン、材質、手術手技が改良され、さらにナビゲーション手術の登場で、より正確で安全な手術が可能となり、ロボット手術も現実のものとなりました。軟骨や神経の再生医療も実用化しています。関節リウマチ、骨粗鬆症、疼痛、骨・軟部腫瘍などに対する薬物療法の進歩も著しく、患者の日常生活の質や予後は大きく改善しています。周術期合併症に対する対策も進みました。

進化が加速している“今“ 開催される当学術集会のテーマを「爽春の進化」としました。「爽春」という言葉は、映画名や人名には存在するようですが、漢和辞典には記載されていません。造語です。冬の雲や雪から完全に解放される福井の春を「爽春」と表現しました。整形外科の進歩は目覚ましいものがありますが、現在地はまだ爽春であり、これからさらに進化しなければなりません。

福井の街も2024年3月に延伸される北陸新幹線に伴う再開発で、「爽春の進化」を遂げようとしています。新しく活気のある街並みと、江戸時代から変わりなく咲き続ける桜が皆様を楽しませてくれることは間違いありません。会場近くの足羽山や足羽川の桜を楽しんでください。また、4月は、新しい専攻医が仲間入りする季節でもあります。若い先生方と一緒に、恐竜王国福井にお越し頂き、新しい福井の「爽春」と「整形外科」を堪能し、そして「進化」させて頂くことを願っております。