第21回日仏整形外科学会

会長挨拶GREETING

Bonjour. Comment allez-vous ?
 私こと松峯昭彦はこの度、第 21 回日仏整形外科学会(SOFJO: Société franco-japonaise d'Orthopédie)を2025年9月20日(土)の日程で、福井市の福井県繊協ビルにて開催させて頂くこととなりました。第1回日仏整形外科学会は、1987年七川歓次先生により神戸にて開催されましたが、これまでに北陸で開催されたことはありません。伝統ある本学会を、北陸の地、福井で我々が担当させて頂きますことを誠に光栄に感じております。

 私は1986年に整形外科医としてのキャリアをスタートしましたが、三重大学に在籍中の2002年、日仏交換留学生として、3ヶ月間、パリのCochin病院 (コシャン病院) とSt-Vincent de Paul病院で整形外科研修を受ける機会を得ました。病院そのものは古く(歴史的建造物です!)、小規模で、必ずしも最新の設備が整っているという訳ではなく、我が国と同様の医療保険の制約のある中での診療でしたが、医師を含む医療スタッフの連携により病院システムは効率的に構築されており、多くの正確な手術が無理のない形で次々と行われていることには大変感銘を受けました。また、手術では伝統的な手術手技を重んじると同時に、新しいアイデアも大胆に取り入れており、我が国がお手本とすべき医療体制だと感じました。そして現在もその考えは変わっておりません。

 この度の日仏整形外科学会のテーマは「激浪を乗りこなす Surfer sur la grande vague」としました。ポスターでは、葛飾北斎の『冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏』をバックに福井の恐竜に跨ったナポレオンが激浪を乗りこなしています。現在、整形外科は、目を見張るほどのスピードで進化しています。画像診断技術の進歩、脊椎外科や関節外科でのインプラントのデザイン、材質、手術手技の進歩、ナビゲーション手術やロボット手術の登場、再生医療の実用化、薬物療法の進歩など次々に大きな波が押し寄せていますが、我々整形外科医はその激浪を乗りこなす必要があります。さらに、単に乗りこなすだけではなく、新しい波を作り出す必要があります。米国のような巨大な病院ビジネスに頼るのではなく、フランスそして日本の整形外科医が、本学会で工夫とアイデアを共有しながらこの激浪を乗りこなし、新しい波を作り出すことを願って今回のテーマとさせていただきました。

 2024年3月には、北陸新幹線が金沢から福井県の敦賀まで延伸したため、特に関東圏からのアクセスが大幅に改善しました。多数の皆様方のご参加を心よりお待ちしております。

2024年12月吉日

第21回日仏整形外科学会(SOFJO: Société franco-japonaise d'Orthopédie)
会長 松峯 昭彦

福井大学学術研究院医学系部門医学領域
器官制御医学講座整形外科学分野 教授